家に帰っても、私はずっと考えていた。
明日のリレー、拓に思いっ切り走ってもらいたい。
去年の屈辱を果たしてもらいたい。
だけど…
拓の1年間の想いが叶った瞬間、松沢さんは拓を私から奪いに来る。
松沢さんは今までだって、私という存在を知っていながら拓に告白してるし…
それに今日のあの怖さを感じるほどの満面の笑顔。
たぶんハッタリなんかじゃないと思う。
松沢さんの言葉にもあったけど、きっと…、『本気』で『どんな手段を使ってでも』私達を別れさせるつもりなんだ。
拓に言うべき…?
でも、拓がそんなこと聞いたら、拓まで悩ませるか…、あるいは松沢さんを怒ってチームワーク乱れちゃって……、どっちにしろリレーで本気なんて出せる状態じゃなくなるよね。
それじゃあ、拓の1年間の想いはどうなっちゃうの…?
考えれば考えるほど分かんなくなって、私はますます苦しみの渦に飲み込まれそうになっていた。
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