拓の指差した方向を見ると、倉本くんとあかねちゃんが障害物競争に使う平均台の前で身振り手振りを交えながら話し込んでいた。






あかねちゃんの嬉しそうな笑顔が、こんな遠くからでも分かる。






「馬場って自分でマサに気持ち言うつもり?俺からはマサに何も言ってないけど…、それでいいってコト?」



「あ、うん。折を見て倉本くんに告白したいって言ってたから。とりあえずそっと見守ってあげて?」






そっか…。



あかねちゃんも倉本くんと同じ種目に出るんだ。






同じ種目は偶然だと思うけど…、あかねちゃんにチャンスが巡ってきて、私も少し嬉しくなった。






あかねちゃん、頑張って……!






私は小さくあかねちゃんを応援しながら、笑顔で話す二人の姿を眺めた。






すると拓も私と同じことを思ったのか、後ろでつながれた手の力がが少し強くなるのを感じた。






本当に…、みんながあかねちゃんを応援してる気持ち、伝わったらいいな。













――
―――――