「いやね、2年になってからなんだけど、あかねちゃんと話してるとやたら倉本の話題ばっかりだったんだよね。その時は別に変だと思わなかったんだけど…」
「そ…、そうだったんだ……」
さすがにあかねちゃんの会話の内容っていうのは、同じクラスでよく話すななっぺ以外に知るよしはない。
別のクラスの私達や、時々しか話さない拓には分からない変化だと思う。
「あかねちゃんが柚を誘って夏期講習に通い出したでしょ?勉強が好きだとは言えないハズのあかねちゃんが、まだ2年生なのに塾の夏期講習に積極的に通うなんて、なんかおかしいと思わない?」
確かに…。
あかねちゃんに誘われた時は私もそんなに気にしなかったけど、ななっぺに改めてそんなこと言われると…、おかしい行動のような気がする。
それはきっと……
「もしかしてあかねちゃん…、倉本くんが塾に通ってるってどこかで知って、同じ塾に通おうと思ったってこと?」
「さすが柚は冴えてるね。でも倉本の学力のレベルまでは分からなかったみたいだね。倉本があんなに頭がいいって知ってたら、絶対あかねちゃん塾になんて通ってないと思うもん」
「でも…、塾に行くのは親に携帯買ってもらうためって、あかねちゃん言ってたよ?」
「それもあったんだろうけど…。ケータイ手に入って、倉本とも近付ければラッキーだと思ったのかな…?」

