自分を好きになってくれた人を振るって、こんなに大変だなんて思わなかった。
もしかしたら
拓もななっぺも……、誰かを振るたびに本当は心が痛んでいるのかもしれない。
それを私の前で見せなかった二人は、本当にすごいなと思ってしまった。
倉本くんが帰っていった後、少しの沈黙が部屋を包んだ。
そして、その沈黙を最初に破ったのは……
「あっ!そういうことかぁ。何で私、気付かなかったんだろう」
急に何かに気付いた様子のななっぺだった。
「え?何?どうしたの、ななっぺ?」
「いや、やっぱりそうだよ。そうすればつじつまが合う…」
「だから何なんだよ、細井!自分だけ完璧に状況分かった顔すんじゃねーよ!!」
映美佳と拓に言われて、やっとななっぺは我に返り、私達の顔をじっと見てきた。
「あのね、分かっちゃったんだけど。違ってるかもしれないけど、たぶん当たってると思う」
「だから何が?まだマサのことで何かあるなら、引き返してもらうけど……」
「違う違う。あかねちゃんのこと。あかねちゃんさぁ……、倉本のコト、好きなんじゃない?」
「「「えっ!?」」」
またまた突然過ぎて、ななっぺ以外の私達3人は、驚くしかなかった。
拓…、さっきよりも更に口が大きく開いたままなんだけど。。。

