引っ込み思案な恋心。-2nd






「私の場合は瀬川に振られてから瀬川の好きな人を知ったんだけど、結果的には倉本と一緒だと思う。確かに立ち直るのにすごく時間がかかったけど…、やっぱり好きな人には幸せでいてほしいと思う。いつも笑ってほしいと思う。その相手が自分の友達だったら尚更そう思うよ」




「細井……」







きっと…



拓に振られてからのななっぺは、私に対して優しい笑顔を向けている瞬間にも苦しんでいたんだと思う。






ななっぺがそういう風に考えられるようになるまで…



新しい人と歩き出せるようになるまで…






一体どれだけの苦悩を抱えたんだろう?






それこそあっさりとななっぺから拓を取ってしまった私には、計り知ることができない苦しみだったんだろう。






それでも…



少しだけななっぺの心に触れて、もうこんな苦しみを他の誰にも味わわせたくないと思った。






これ以上…、倉本くんも拓も、みんなを悩ませたくない。








「………倉本くん、ごめんなさい!!」



「え?杉田???」






そんな気持ちが溢れ出た時、倉本くんにハッキリと言おうと思った。





私の今の気持ちを……