引っ込み思案な恋心。-2nd






「拓が俺のコト避けてるみたいだからさ、理由聞こうかと思って」



「別に…、避けてねーし!」



「じゃあ何でメールも電話も無視すんだよ?あの時からだよな?怒ってんなら言えよ!俺はどんなことでもお前とフェアに戦いたいから言っただけだし、そっちも言わねーと分かんないだろ」







…もしかして『あの時』って、私と倉本くんが連絡先を交換してしまった日のこと……?





あれから拓と倉本くん、話してないの?





確か倉本くん、私にも『拓からメールが来ない』みたいなこと、メールで書いてきたことあったし…。






私は何となく状況が分かってしまったけど、何も知らないななっぺと映美佳はキョトンとしたまま倉本くんと拓を交互に見つめてる。





これ…、私から説明した方がいいの!?







「ちょ…っ、どういうことなのか全然分かんないんだけど!うちらに関係ないなら帰るから…、とにかく落ち着いてよ」






二人からただならぬ雰囲気を感じ取った映美佳がそう声をかけると、倉本くんがため息をつきながら言った。






「……いや。まー、たぶん杉田も関係あるからな。お前らも聞いて帰れば?」



「なんで瀬川と倉本のケンカに柚が関係あるの?」



「まあ聞けよ」




ななっぺの問いかけに、倉本くんの声が少し低くなった気がした。






態度は落ち着いているように見えるけど、その奥に見え隠れする拓への怒りは想像よりすごいものなのかもしれない。






そんな気配すら感じた。