そして…私の本当の気持ちにようやく気が付いたあゆは、腕を組みながら何度も深くうなずいた。






「うんうん。なるほどね。不安にさせちゃってごめんね。でもね……、私も柚の側にいるよ。いや、いてもいいかな?」



「えっ!?あゆ、バスケ部の方は大丈夫なの?」



「バスケ部の人達は、部活で会えるからね。それにさ…、ここだけの話なんだけど、バスケ部の中でもグループとか色々あるんだよ」



「そ、、、そうなの?」






あゆはそう言うと、映美佳にも手招きをして、私の机に手を置きながらしゃがみ込み、少し小さな声でまた話し始めた。






「さっきの…、ミワちゃんっていう子。他のバスケ部員から聞いた話だけど、実は私のことをライバル視してるらしいんだよね。私も含めてだけど、みんなレギュラー入るために必死だから…」



「バスケ部も大変なんだね。レギュラー争いでお互いけん制し合ってるんだ…」






映美佳もあゆに合わせて少し小声になってそう言うと、あゆは「うんうん」とうなずいて、私の方を向いてきた。






「他のバスケ部でよく話す子は別のクラスになっちゃったみたいだし、教室の中でもライバル同士心の中でいがみ合いたくないから、ちょっと距離あけたいんだよね」



「そっか…。ごめんね、私…勘違いして不安になっちゃって…」



「ああっ、それは私が全面的に悪いから。ミワちゃんとの話はいわゆる社交辞令トークってコトで」






社交辞令でも、あんな仲良さそうに楽しそうに話すことができるなんて…。





あゆはホントにすごいな。





私にはとてもできない芸当だよ。。。








「…で?柚はどうしたいの?私は多田さんさえ良ければ仲良くなりたいけど…」






私があゆに感心しきっていると、映美佳からそう言われて、ハッとした。






そうだ。



感心してる場合じゃなかった。






あゆがせっかく私といたいって言ってくれてるんだ、私もそれに応えなきゃ。