王女マリアは、自分の気分を少しでも害したものは即死刑にしてしまう。
人々は、いつも王女マリアの機嫌を伺い、ビクビクして生活している。
しかし、マリアのおかげで私たち国民が裕福に暮らしているのも確かな事実だった。


お父さんは、マリア様の元で専属の料理人として働いていた。
マリアという危険を背負いながらも、家族のため何不自由のない生活をさしてくれいた。


だけど…


ある日の料理がマリアの口に合わないという理由で父は殺された。


こんなことは、ここ最近始まったばかりではない。
マリアの実の父、ジャック様が5年前亡くなられて以来、この国の全ての権力をもつものはマリアとなった。


誰もが反対したが、どんな人であれ王家の血をひくものはマリアただ一人。
誰もが賛成せざるおえなかった。




「お父さん、行ってくるね」



そういって、リビングに戻るとさっきまで泣いていた母が何事もなかったようにせっせと家事をしていた。



「行ってきます」


朝食も食べないで、家を出た。