映画は感動感動で涙が止まらなかった。



「愛梨泣きすぎ~」


「う~だってぇ…

最後……グスッ…
ハッピーエンドで良かったねぇ~……」



呆れながらも颯先輩は私の涙を優しく拭ってくれる。



でも、この幸せが無くなる瞬間が直ぐそこに迫っていた。







私が落ち着くと外に出た。



すると…



「あっれ~?颯???」




颯先輩の名前を呼ぶ女の人。


振り向くと2人の女の人がいた。見るからに大学生のお姉さん。



「…………お~…華…」



「颯もこの映画見たの?



私、女友達と2人でさみし~く見たよ~


颯は……えと彼女?」



華と呼ばれた女の人が私に話しかけた。
茶色の長い髪を耳にかける仕草が凄く大人っぽい。



「あ…はい…」