『なぁ,森川君!うちの事どう思っとる?』


『僕は木村さんの事が好きや!

付き合いたい。

僕と付き合ってくれ!』


実にストレートな告白である。


流石中学生。


変な小細工はしない。


我ながら言った後で恥ずかしくなったが,彼女の方からも


付き合おうか!


と言ってくれたおかげで玉砕は免れた訳だ。


その日を堺に僕は彼女の事を“香織”と呼ぶようになった。


彼女の方も“浩志”と呼び始めた。


僕は,自分に恋人が出来たと言う心の余裕でちょっぴり大人に成った気がした。



いや,気のせいであった。


どちらかと言うと彼女の方が大人っぽく感じた。