部屋に戻り,やり場の無い憤りが僕の体のどこかで弾けたような気がした。


暗い部屋の天井を睨みつけながら,何度も「くそったれが~!」と呪文でも唱えるかのように繰り返し叫んだ。


涙が止まらないのにも気が付かない程興奮していた僕は,固く握り締めた両手を開こうとしたが,なかなか開かない。


硬直してしまった両手で自分の頭を殴りつけて,それでも収まらないヤルセナイ香織への気持ちが膨らんで行った。


夏休みも後何日かで終わると言う或る日,久しぶりに病院へお見舞いに行くことにした。


今日までは、なかなか抑えられない自分の気持ちを,コントロール出来る様になるまで会わない方が良いと思ったのである。


僕はすぐ顔に出る性格だから,ひょっとして悟られるのでは?と懸念しての事である。