その日は,香織と一緒に帰宅して我が家で一緒に食事をした。


料理が得意な僕も,さすがに今日ばかりは疲れてしまい香織に美味しい物を作る元気は無かった。


食事の用意が出来るまで,二人は僕の部屋でのんびりと過ごした。


一応彼女の家にも電話を入れて,遅くなるけどちゃんと家迄送るから心配しない様にとことわりをした。


彼女のお母さんは


『泊めてあげてくれる?』


と冗談を言って笑いながら電話を切った。


その日,彼女と二人で部屋で話をしていたら,突然


『なぁ浩!うち最近血吐いたんや。

でも,その後すぐ元気になったし,大丈夫やと思ってお父さんにもお母さんにも言うて無かったんやけど,ほんまに大丈夫やろか?』


『アホか!

すぐ言わないけんが。

何かあったらどうするんで。

対した事無いか有るかは先生が決める事やが。』


と思わず興奮して言ってしまってから〈アッ!〉と思って口をつぐんでしまった。


彼女にはまだ内緒にしておきたいとの両親の思いがあるのだ。