それからまもなく,彼女にも友達が出来て,(勿論僕が最初の友達だが)可愛い顔をした彼女の周りにはいつも沢山のクラスメイトがいた。


ちょっぴり妬けるような気がしたが,10才の僕にそれが初恋だとは、その時は気が付かなかった。


男子の潮崎君と前田君,女子の上村さんと中川さん,そして僕と彼女の6人が仲良しグループでいつも一緒に遊んだ。


しかし,翌年潮崎君が家庭の事情で転校して行き,6年の春には中川さんも転校していった。町中がドーナッツ現象を起こしている事を知らなかった僕達は,その度に悲しい別れを強いられた。 


中学に入って,彼女は演劇部に入った。


僕はというと吹奏楽部に入ってクラリネットをパートした。


小学校の頃から,柔道をやっていたので顧問の先生から勧誘を受けていたが,音楽が好きなのでと言う理由で断ってしまった。


正直な所,柔道部に入ると女子にもてないと言う事を、色気ずいた僕は知っていたのだ。