その時,後ろから僕を呼ぶ声が聞こえ振り返るとそこに香織が立っていた。


手に冷たいお絞りとレモン水を水筒に入れて持って来てくれたのである。


『浩志!

久しぶり!

長い事会えへんかったから,うちから会いに来たわ!』


と言って水筒に入ったレモン水をコップに注いでくれた。


喉がカラカラに乾いていた僕は一気にそれを飲み干した。


周りの部員達から冷やかしの声を浴びせられたが,なんだか久しぶりに会えた方が嬉しくて気にならなかった。


結局1点差で負けてしまったが,もうそんな事はどうでも良かった。


疲れた体で戻ってきたナイン達には申し訳無いが……。