郷東川の河川敷は、花見をする親子やカップルで賑わっていた。


僕達も空いた所にシートを引き,靴を脱いで座った。


『ええ気持ちやね!

浩,何作ってきたんね。

教えて?』


『後のお楽しみ!』


『まぁええか!』


『それより香織,最近どんなん?』


『メチャ元気やで。

もうそろそろ直って来てんやろ。

うち,あの薬がごっつう嫌いなんや。

貧血の薬飲んだらな,その日1日胃が苦ったようになるんよ。』


『そらしゃーないやん。

そやけど,のまなあけへんのやろ?』


と僕もふざけて関西弁を使って見せた。


なんか違和感の有るイントネーションに思わず彼女が笑い出した。


『そやな!

ガマンするわ。

今度浩にもあげるわ。』


『そんなもんくれても俺は貧血どころか血の気が多いけん意味無いわ。』


『ほんだら,うちに血わけて。』


『香織はABでおれはBやから,血あげれんのやで。』


『そやな。』…