幼稚園での生活はずっとそんな調子で過ぎて行った。
明は多くの友達と関わることなく、ほとんど一人か、たまに俺と遊ぶくらいだった。
小学校に入って明はお金持ちだけが通うことのできる私立の学校へ入った。
「明も俺と同じ小学校だったら良かったのにな」
「お母さんが……同じような子がいた方がいいでしょうって……」
俺のところへ遊びに来た時、明にさりげなく言った言葉。
明は寂しそうに答えた。
なんとなく、わかった。
明の母親は明のことを考えて、お金持ちの学校へ入学させたんだ。
幼稚園の時のように周りから「お金持ちだ」とか「お嬢様」っていうので、拒否されないように。
同じような立場の子がたくさんいるところへ。

