「実はね、それでイライラしてたら……変な奴が家に来て」
「へ、変な奴!? おい、明、大丈夫かよ!? お前ん家セキュリティーすげぇんじゃねぇの?」
思わず俺が振り返って驚くと、明は恥ずかしそうに頭を掻いた。
「イライラしてて、気が付いたら玄関まで通しちゃってて」
「通しちゃっててって……お前! 変な奴だったんだろ!? 何されたんだ!」
俺が詰め寄ると明は困ったように笑って、俺を落ち着けようとした。
「違うの、何もされてなくて……その人、どっかの会社の社長で」
「社長!? ホントかよ!」
「たぶんそれはホント……なんとか不動産の……なんとか社長!」
「なんとか、ばっかだな」
まぁ、明がここに無傷でいるってことは大丈夫だったということなんだろうけど。

