「結局、あの後、明は親に怪我してたことがバレるし、学校から連絡も入ってたりで大変だったんだっけ」
夕飯であるチャーハンを作るため玉ねぎをみじん切りにする手を動かしながら、一人呟く。
幼い明はどうにかして皆を傷つけないように、といっぱいいっぱいで。
同じく幼かった俺は明をどうにか笑顔にしてあげたい気持ちでいっぱいいっぱいだった。
「大体学校抜け出してバレないはずがねぇんだよ」
ただ、事態は少しだけ好転した。
それから明の両親が学校側に変な気を回すなって怒ったおかげで、明は先生から変に気を使われなくなったのだ。

