「な……なぁ、明」
「ん?」
いつの間にかズボンを履き終えた明は帰ろうとしていた。
「明にとって俺ってどんな奴!?」
「んー……っと……イイ奴!!」
「い……イイ奴?」
とりあえず褒められてるよな?
悪くないよな?
俺が言葉の意味を理解している内にも明は足を玄関へ進めていた。
「じゃぁ帰る! ズボン本当にありがとう!」
「あ! 待てよ、明! また……何かあったら……俺んとこ来いよ」
「うん……ありがとう」
ドアを閉める瞬間に見せた明の笑顔は、今まで見たことないほど強くて凛としてて……綺麗だった。
俺はその後、腰を抜かしてしまったんだ。

