「何が、なかなかでしょ……だよ。大胆すぎるって」
俺は笑いながらそっと明から離れた。
……笑った顔が引きつってなければいいけど……。
明から離れると、着ていた服が明の涙で濡れていた。
俺は明の涙を受け止める役目を果たせたらしい。
そのことに、少しだけ嬉しくなった。
「でもさ、明。こっそりって……今頃大事になってんじゃねぇの？」
「そ、そうかも……あ！ でも皆、頭いいから。大事にならないように言い訳してくれてるかも！」
無理して前向きに考える明に、
明の強さに、俺は笑ってしまった。
今度はたぶん、引きつってない。
「なんで笑うの!?」
「ううん……俺の前で無理しなくていいのになって思って」
無理じゃない、と明は頬を膨らました。
