今度はちゃんと理解できた。 先生達は明を大事にしているつもりで、明の父親という権力に気を使っていたのだ。 そりゃクラスメイトが明に距離をとるのもわかる。 それだけ大事にされてる生徒と友達になるなんて……どう接していいかわからないだろう。 しばらくして落ち着いてきた明が口を開いた。 「あたしが怪我したってわかったら、皆に迷惑かかるから…… 先生が見てない内に体育の授業、こっそり抜け出してきたんだ。 なかなかやるでしょ?」 涙の跡が残る頬を上げて笑う明に、俺まで胸が痛くなった。