「な……何考えてんだよ! なんでそんなこと……」 「い、いいから! なんでもいいから早くズボン! それかもっと目立たないようにして!」 明は俺を突き放すかのように言いつけてくる。 ……目に涙浮かべて。 明が痛がっているのがわかった。 膝の傷じゃなくて、心が痛そうだった。 気が付いたら俺は明を抱き締めていた。 どうにかしてあげたくて。 抱き締めれば明の痛みも分けてもらえると思った。 俺が…… 俺が全部、受け止めてやるよ……。