「まさか……明、イジメられてるのか? それなら俺がソイツら懲らしめに……!」 相手もわからないというのに、家を飛び出そうとする俺を明が押さえる。 「ち、違うから! 違うんだよ、哲太!」 「じゃぁなんなんだよ、その怪我は!」 「これは体育の時、人とぶつかってあたしがこけて……」 「それなら先生に言うとか、保健室行くとかすればいいだろ? ……まさか、明、体育の授業で怪我したまま学校飛び出してきたのか!?」 ランドセルも持たずに? 体操服のまま? 俺の問いに明は気まずそうに小さく頷いた。