【雫side】


今年も段々肌寒くなってきた…。


今は先生の音楽の授業。


「まじさみぃ〜…。」

「半袖なんて着るからでしょ〜!」

「お前も半袖じゃねーか。しかもほっせぇな〜!もっとスカート短くしろ♪」

「やだ〜大輔変態〜!」


これ…。


先生のここが嫌なの!!


誰にでも、すぐ可愛いとか…綺麗とか…


変態なことばっかり言うの!!


初めのうちは、まあ…って感じで許してたんだけど…。


段々募るモヤモヤ…。


私ってこんなにヤキモチ焼きだったのかなあ…。


先生を見てると…好きなのは私だけなのかなって。


たまーに思うことがある。


でもそんな本音を言う勇気なんて、私には無くて…。


モヤモヤしたまま過ごした1時間。


「なぁに雫〜、また悩み〜!?」

「雫さんって意外といろいろ考えてんっすね〜!」

「裕ちゃん、それどうゆう意味〜…?」


最近のお弁当は私たち3人+蘭ちゃんの彼氏、裕ちゃんの4人で食べる。


ふたりで食べたら?って言ってるのに…。


『恥ずかしい』んだって。


誰が見てもピュアなふたり。


いつも蘭ちゃんがふたり分、お弁当を作って来る。


なんか…うらやましいな〜…。


「美嘉も伸治くんと会いたい〜ぃ…。」

「あんた週5でバイトあるでしょ。」

「バイトじゃなくて〜!普通にデートとかしたいし〜…。」


わかるな〜…それ…。


私も、堂々と先生と手を繋いで街を歩きたい…。


でもこれが私が選んだ道だから。