どんどん声が震えて、番号のことでも「そっか、」って思ったはずなのにまだ「え、ええ?」なんて明らかに状況を理解していないですっていう言葉が考えるよりも先に口をついて出てくる。
あぁぁ、なんて頭の中で発狂し始める私に、こっちがムカつくくらい余裕な"黒崎さん"がいきなり私に電話をしてきた理由を話し始めた。
「あのね、もしかしてというよりは絶対そうだと思うんだけど、今って―駅?」
「ひぇ?!あぁ、ぇ、っとそう、ですね、駅です、はい。」
「―ゴメン!ちょっと今俺がいる駅のほうが大雨で、電車が遅れてるんです。まだもうちょっと掛かるみたいなんで、来てもらって悪いんだけど、またの日でいいですか?」
「あ、はい、大丈夫です
。じゃぁ、何時に―」