パチン、と音を立てて閉じた携帯を通学用として使っているリュックの中に放り込んで、また冒頭の疑問にふけながら家路を辿る。

そして、また何日か振りに私は自分の脳内のこの迷惑な構造に対しての後悔に支配される。

普段あらゆるものに無頓着な癖して、変なものには笑いを通り越して呆れるほどに執着する。
―その上、無頓着過ぎるものだからその反動で執着した時はすさまじい。

五感のほとんどが機能しなくなる。それだけにただただ一直線。
―コレが人に言ったとしたらどんなに恐ろしいことだろう。

さらに面倒くさいことに、何が何でもそんな風の状態の私に嫌ってほどつっかっかってくる我が母は、たぶん一番の被害者で―だからこそ、マシンガントークで説教をしにくる。

今回も予想通り気がついたのは朝目が覚めたこの瞬間。そして、一番先に目に入ったのは母の史上最高に拗ねた顔。


面倒くさいことになった、と思っても既に後の祭り。私は遅刻確定を覚悟した一瞬後、昨日家路に着く前に打った自分のメールの文面を頭の中で繰り返す。

―今日は、厄日だ。