あたしが受け取ると、悠斗はニコッと微笑んだ。

キュンッ……

胸が高鳴る。

やめて、そんな笑顔を見せないで。
虚しいだけ……。
そんな風に、笑わないで。
期待するだけ……。

悠斗に溺れるだけだから――……。

「……泣いてんのか?」

「えっ……」

悠斗に言われて、初めてあたしの頬を伝う涙に気付く。

「ご、ごめっ……」

「とりあえず、来い」

謝るあたしの腕を引いて、悠斗は人込みが少ないところに着いた。

そのとき、ドーンッと花火が打ち上がる。

「いきなりどうしたんだよ。さっきまで機嫌良かったよな?」

あたしの顔を覗き込みながら言う悠斗。

また、その表情――。

「なにかあった?」

優しく、あたしの頭を撫でる悠斗。

それと平行して聞こえる、花火の音。

あたしは、花火に負けないように、想いが届くように――声を張り上げた。

「あたし――、悠斗が好きなの!!」

言っちゃった……。