そう言って、気付けば悠斗に唇を塞がれた。

軽いキスから、深いキスに。
だいたいはそんなキス。

「ふぁ……ん、ゃめッ」

悠斗の舌が、あたしの舌に絡みつく。

今は夜。
おまけに、今いる場所はあたしの家の前。

――ヤバイ。
お母さんとかにバレる!!

「ちょっ、バレちゃう……っ」

悠斗の肩を押しても、やっぱりビクともしない。
いつものことなんだけど、さすがに焦る。

「大丈夫だって」

いやいやいや!! どう考えたら大丈夫なのよ!?

「ちょ、だから、無理ー――――!!」

「あんまり騒ぐと、親にバレるぜ?」

唇を離し、囁くように言う悠斗。
それ言われたら、黙るしかなくなりますから……。

「……やんないの?」

またキスして来ると思ったら、悠斗はやってこなかった。

「なに? キスしてほしいの?」

「そうは言ってないでしょ!!」

「どうだろうな」

意地悪な笑みを浮かべて、あたしの頬にキスを落とした悠斗。

「また明日」

そう囁くと、くるっと背中を向けて歩き出した。

「バーカ!!!」

あたしが叫ぶのと、悠斗が片手を振ったのはほとんど同時。

――明日、心臓持つかなぁ……?