「見た……の?」

なら最初から言ってよ!!

「お前、9位だったな。スゲーじゃん」

「ど、どうも……」

ニコッと微笑んだ悠斗。

やめて……。
そんな笑顔、見せないで――。

もっと、悠斗に溺れてく――。

「水族館……行く?」

「へ?」

なに? 今なんて言ったの――?

悠斗は、引き出しから何かを取り出して、あたしに見せてきた。
それは、水族館の無料チケット。しかも、かなり人気なところの。

「なんで?」

「もらった。連れてってやるよ。頑張ったから、ご褒美」

ニヤリと笑いながら言う悠斗。
悠斗は、いつもずるいんだよ。
あたしをときめかせる言葉を、たくさん知ってる。

「……ありがとう。ございマス」

「ん。もう暗いし、今日送る」

外を見ると、もう暗くなっていた。
時計は、もう6時を指していた。

「あ、ありがとう」

席を立って、鞄を持つと、悠斗はすでにドアの前に立っていた。

「遅い……」

「待ってよっ!」

「早くしねぇと置いてくぞ。――緩奈」

慌てて振り向くと、そこにはニヤリと笑う悠斗。

今、緩奈って――。

「今、緩奈って呼んだっ!?」

「――呼んだ」

また、悠斗にドキドキしてるあたしだ――。