「ふーん。やれば出来んじゃん」

結局、悠斗に教わりながらも全部問題を解き切ったあたし。
しかも、全問正解!!
あたしってば、スゴイ!!

にやけているのが顔に出たのか、ノートで頭を叩かれた。

「いった! なにすんの?」

「これ解けたくらいで喜ぶな。言ったろ、これ、中坊でも出来る」

……何回も言わないでください!! 分かってるつもりなんだから。

「でも、短時間でよくここまで覚えたな。お前にしてはスゴイじゃん」

そう言って、あたしの頭をそっと撫でた悠斗。

そんな顔しないで。胸が苦しくなって来る……。
あたし、本当にどうかしてるよ。
悠斗に、すごくドキドキしてる。なんで……?

「褒美やるよ」

刹那――あたしの唇と悠斗の唇が重なる。

キスはすぐに離れたけど、あたしは離れたくなくて……

「待って」

気付けば、悠斗の袖を掴んでいた……。

「あたし、なんだか分かんないけど……悠斗のこと、もっと感じてた……い」

って、なに言ってんだあたし!!

言った瞬間、顔がみるみる真っ赤になって行くのが分かる。は、恥ずかし過ぎる!!

「ご、ごめっ!! もうなんて言うか、忘れて!! てかもう、消去して!!」