「緩奈……大丈夫?」

「ダメ」

昼休み――朝からずっとテンションがた落ちなあたしです……。

だって、夏休みなしだよ? 信じられます!?

「あたしはもう終わったーーー!!」

「うっせー」

突っ伏してたら、いきなりノートかなにかで頭を叩かれた。
振り返ると、やっぱりコイツ。

「悠斗!! なにすんの!?」

「さっきっからうっさい。テストでギャーギャー騒ぐな」

またパコンと、頭を叩かれた。これ以上バカになったらどうすんのよっ!!

「いいですよねー、学年1位は。勉強しなくても、夏休みなんてなくなんないですもんね!!」

ベェーと舌を出して、嫌味ったらしく言ってみた。

「ガキ」

また悠斗は、パコンと頭を叩く。
くっそー!

「そうだ!!」

隣であたしたちのやり取りを見ていた美保が、パンと手を叩いた。

「真崎に勉強教えてもらえば?」

「「は?」」

綺麗にハモったあたしたち。
……なに言ってんの? この子は。
あたしが悠斗に勉強を? 無理ムリ。
今回は悠斗に賛成だわ。

「だって、真崎学年1位でしょ? 真崎に教えてもらえば、いくら緩奈でも50点は行くでしょ」

「いや、そうかもしんないけど……」

「じゃあいいじゃん!! いいでしょ? 真崎」

そう言って悠斗の方を向いた美保。
そんな美保を見て、考えてる悠斗。
お願いだから、ヤダって言って!!