「緩奈ちゃん、元気だなぁ。そういや昨日、緩奈ちゃんとサボってたら景品見つけて、ヒカル先輩に怒鳴られたんだって?」
俺が緩奈を見ていたのに気付いたのか、いきなり話に入って来た宏平。しかも、昨日のことまで知ってやがる。
「そうだな。アイツが変なもの見つけたから」
「ふーん。緩奈ちゃんのとこ行ってくれば? 席離れちゃうぜ?」
実は今、俺と緩奈は隣同士。席替えするってことは、自然に緩奈とも離れるって言う訳で……。
「……やめとく」
どうせ、今俺が行ったところでアイツは顔を真っ赤にするだけだろうしな。
「はーい。席着けー」
そこに、なんとも微妙なタイミングで担任が入って来た。
「えーっと、今日は席替えします。適当に番号書いて行くんで、くじに書かれた番号の席に座ってください」
いつものパターンの席替え。
俺の席は――窓際から2列目の、一番後ろの席。まぁ、寝れるしいいか。
ふと隣を見ると、見慣れた顔があった。
「ゆ、悠斗!?」
マジ……?
「なんでまたアンタと隣なのよ!!」
「んなの知らねぇよ」
なんと、俺の隣の席はまた緩奈。
でも、なんか嬉しいかも。
「もう最悪!!」
隣でぶつくさ言ってる緩奈を、無償に抱きしめたくなる。
俺は――緩奈に惚れてる。