「さっきの続き」

そう言って、あたしにキスをした悠斗。
さっきの続き!?
さっきっていつ!? 全然記憶にないんですけど!!

あたしに構わず、キスを続ける悠斗。
角度を変えて、何度も何度もキスして来る。
意味がわからない……。

あれこれ考えているうちに、悠斗の舌が入ってきた。あわてて口をキュッと結ぶけど、時すでに遅し……。

あたしの舌に、自分の舌を絡ませる悠斗。
もう何度かやられてるけど、いまだにこれは慣れないんだよね……。
って、納得するなあたし!!

「は、離し……」

「そのわりには、抵抗して来ねぇじゃん」

う゛……。そうですよ。抵抗しませんよ。
多分、前のあたしだったら抵抗してた。悠斗の肩を押して、目に涙をためて。
なのに、今は涙を流すことも、肩を押すこともしてない。どうしてだろ……?

「や、やめっ、んん……ッ」

相変わらず、キスをやめない悠斗。もう、頭がクラクラしてきた。
酸欠、だよね?

意識が飛びそうになったところで、やっと悠斗の唇が離れた。
肩で息をするあたし。悠斗を見ると――なんか、いつもと違うような気がした。

焦ってる。いつの余裕なのに。キスした後、いつのあたしを見て笑うのに。
なんで? おかしいよ――……。

「……悪かったな」

不意に聞こえた悠斗の声。
どうして? なんで謝るの?
いつも、謝んないじゃん。
なんでよ、意味分かんないよ。

離れていく悠斗の背中。あたしはただ、その背中を見送ることしかできないんだ――。