「なんだ……これ」

「さ、さぁ?」

目の前にあるのは、ティッシュボックスほどの箱……。
こんなもの、あったっけ?
「こんなもの、前はなかったよな?」

考えていたのは、悠斗も同じらしく。

「うん」

「つーか、マジなにこれ。開けていいのか?」

「さぁ……」

その時、悠斗の携帯のバイブが鳴った。

「メール?」

「ああ。優也くんから。早く帰って来いって」

「ねぇ。ついでだから聞いてみてよ、これ」

謎の箱を指差しながらあたしが言うと、悠斗はあからさまに嫌な顔をした。

「なんで?」

「なんでって……。手っ取り早いじゃん、そのほうが。悠斗もあたしもわかんないってことは、後藤先輩なら知ってるかもじゃん」

「……はいはい」

うわー。面倒臭そう。
いくら面倒でも、明らかに顔に出すのはやめてほしい。

先輩にメールを送ると、すぐに返信が来た。気になる内容は……

「多分、宝探しの本命らしい」

「は?」

「だーかーら、コレ、宝探しの宝っだってさ。とりあえず、持ってこいってよ」

「へ、へー……」

これ、やばいんじゃない……?