【緩奈side】

目が覚めると、悠斗の顔が目の前にあった。

「ゆ、悠斗っ!?」

目が完全に覚めたあたし。悠斗を見ると、肩を震わせていて。

「お、起きたの……?」

「あのさぁ、お前が寝てどうすんの?」

「ゔ……。ほ、ほら……、暖かかったから、寝ちゃった……」

「フッ。まぁいいけど」

いいんだね。

「あたし、なんか言ってた?」

「なんかって?」

「ね、寝言とか……」

「俺の名前言ってた」

「ウソッ!?」

「ウソ♪」

コイツ……。

悠斗にいらつきながら、マンガがある本棚へと移動する。
ここ、学校のはずなのにドラ●もんとか名探偵コ●ンとか、色々マンガが置いてある。

「なんか、いっぱいあるよね、マンガ」

「んー。それ、だいたい仁くんとかが持ってきたやつ。勝手に読んでいいから」

へー。仁先輩、マンガとか読まなそうなのにな……。

腰を屈めて、なにを読もうか選ぶ。
と、マンガの奥になにか箱が見えた。

「悠斗、箱があるよ」

「はぁ?」

「ほら。ここ」

マンガを取り出すと、少し小さめの小箱が出て来た。