生徒会室に着いたあたしたち。
ポケットから鍵を取り出して、慣れた手つきで鍵を開ける悠斗。
中に入ると、生徒会室は日差しが入って暖かかった。
「あー……。ダリ」
教室に入った途端、ソファーに横になる悠斗。
生徒会室に設置されたペットボトルを取り出そうとしたら、悠斗に腕を掴まれた。
「な、なにっ?」
「あのさぁ、膝、貸してくんね?」
目を逸らしがちに言う悠斗。
……はい?
膝ってことは……膝枕、だよね?
「……ちょっと、それは……」
「お前に拒否権なし」
ゔ……。
あたしに断る権利はないのかっ!?
「……ダメ?」
上目使いで尋ねてくる悠斗。悔しいけど、めちゃくちゃ可愛い。
「じゃあ……今回だけだからねっ!!」
しかたない……よね。
「サンキュ」
あたしの膝に頭を置いて、悠斗は目の上に腕を乗せて、寝息を立てて眠り始めた。
「疲れたんだ……」
そういえば、なんだかんだ言って、生徒会の中で最後まで残っているのは悠斗だ。
頑張ってるんだ――……。
そっと、悠斗の黒い髪を撫でる。
想像以上にさらさらした悠斗の髪。
さりげなくつけているネックレスも、とても似合ってる。
やっぱ、カッコイイ――……。
いい、のかな――?
あたしと悠斗じゃ、住む世界が違いすぎる。
かっこよくて、女の子に人気がある悠斗。
それに比べ、あたしはモテなければ、自分に自信がない。
悠斗は、あたしといてなにがしたいの……?