悠斗に手を握られて、あたしの心臓は破裂寸前だった。

って言っても、アレだよ!? その、恋とかじゃなくて、男の子に手を繋がれるなんて、滅多にないことだから緊張してるだけ!!

そんなこともお構いなしに、手を握り続ける悠斗。

悠斗の手は大きくて、あたしの手をすっぽり包んでしまった。
その手はとても温かくて、なんだから落ち着く。

あたしたちが今いる校舎は東校舎。
宝探しゲームの範囲として指定されているのは、西校舎だから、東校舎にいるのは、あたしと悠斗の2人きり……。

通りで静かなわけですな。

「お前さぁ、好きなやつとかいんの?」

「は、はひっ!?」

いきなり振られた話に、自然と声が裏返る。
は、恥ずかし過ぎる!!

慌てて口を押さえると、悠斗に笑われた。

なんて最低なやつ!!

「い、いないけどなに? そう言う悠斗は? 好きな子いるの?」

「どうだろう」

……。なんだそれ。

自分で聞いといて、自分は答えないのか!!

「なんでそんなこと聞くわけ?」

「なんとなく?」

「意味わかんない」

「わかんなくていい」

すっごい低脳な会話をしている、2人の生徒会役員。
この学校、マジ大丈夫??