ヒカル先輩の話によれば、くじ引きで男女1人ずつの2人組をつくり、学校中に張られたクイズを解いて、学校のどこかに隠されたお宝を見つけると言うもの……。

完全宝探しじゃんか。

「でー? 男女1人2組になって、学校のどこかに隠されたお宝探し。それはいいとして……なんどお前と俺がペアなわけ?」

……そうなんです。
くじ引きの結果、あたしのペアは悠斗になりました……。

ホンットーにツイてない!!

「あたしだって、もっとマシな人がよかった!!」

「へー。他の奴からすれば、俺と一緒のペアになれただけでありがたいんだよ!」

ムッカー!!
誇らしげに言う悠斗に、めちゃくちゃ腹が立つ!! なんて俺様なやつなんだ、こいつ!!

≪ほらそこ〜!! ペア同士でケンカしない!! 言っときますけどー、学校回るときは、ペア同士手ぇ、繋いでね♪≫

あたしたちのことを言ったのか、壇上ではヒカル先輩がマイクに向かって叫んでいる。

って、はい!? 手を繋ぐなんて、初耳なんですけど!!

「聞いてねえよ」

≪だって言ってないし≫

悠斗の呟きが聞こえたのか、ヒカル先輩は答えるように話している。

「これ……聞こえてんの?」