「悠斗いる~?」

今は昼休み――。
結局、今日の授業は悠斗とバックれることにした。

先生には早退って言ってあるし……大丈夫だよね?

悠斗とコンビニで買ったパンを食べていると、ガチャッと扉が開いて女の人が入ってきた。

あたしがいるのもお構いなしに、ずかずかと部屋に入って来る人。
女の人の後ろから、2人の男の人も入ってきた。

この人たち、誰―――?

「なんすか先輩」

「冷たいな~。って言うか、ダメじゃん女の子連れこんじゃ」

先輩――?
あ、この人先輩なんだ。そう言えば、上履きの色が違う。

あたしの高校は、3年生は青、2年生は赤、1年生は黄色と、上履きの色が別に指定されている。
この人も含め、後から来た男の人たちの上履きは赤。
2年生なんだ……。

「別にあんたに関係ないじゃんかよ。つーか、なにしに来たわけ?」

……先輩にくらい、敬語使えよ……。

「あたしたちだって生徒会役員だっての! 仕事だ、し・ご・と!!」

悠斗の耳元で、大きな声を出す先輩。
仲良いんですね……。

「まぁまぁ。もうその辺にしとけよヒカル。悠斗も、勝手に女連れ込むんじゃねーかんな」

「うっせー」

ヒカル先輩って言うんだ……。

「あれ~? 悠斗、この子誰?」

やっとあたしに気付いたヒカル先輩。
う゛……。そういう風に顔ガン見されるの、慣れてないんですけど。

恥ずかしくなって俯くあたしを、ヒカル先輩は『カワイー』なんて言ってる。
一体、なに?

「新入生」

説明荒っ! あたし、そんな簡単に取り扱われてるの!?

「見りゃ分かるわよ、バカ。あんたとどーゆう関係って聞いてんの!!」

あー。そういうこと……。
って、あたし悠斗と何の関係もないから!!