2人掛けのソファには、あたしと悠斗。
それなりに窮屈なわけで……。
あたしの心臓はバクハツ寸前! なのにコイツは、呑気にマンガなんて読んじゃってる。

しかも、ドラ●もんだし。
まぁ、あたしも好きだけど……。

不意にマンガから顔を上げた悠斗。
そしてあたしをじっと見つめる。

「な、なに……?」

「……いや、別に」

そう言って、またマンガに目を通す悠斗。
待て。なんだ、その妙な答えは……。

人の顔見つめて置きながら、別にはないでしょ?

「本当に、なに?」

「だからなんでもねーって」

いやいや、嘘でしょ。

「人の顔ジロジロ見といて、なんでもないってなくない?」

悠斗はだるそうにペットボトルを手に取り、中の水を口に流す。

これ以上会話は続かないなぁと思って、悠斗が読んでいたドラ●もんに目を通し始めた。

「ツンデレ?」

いきなり振られた話。
しかも、ツンデレ?

「誰が?」

「あなたが」

呆れながらあたしを指差す悠斗。

「まっさかー」

ツンデレなんて、言われた事ありませんが……。

「んでもって、天然」

聞き慣れない『ツンデレ』と『天然』。

天然……ですか。