「だーかーら!! キスしたことは認めるけどそれ以外は発展ないじゃん!!」

「じゃあ、発展したら認めんの?」

「……は?」

まさかの悠斗の発言に、あたしは放心状態。

「なーんて、冗談♪」

ニカッと笑う悠斗。
なんだ、冗談か……。
なんか、ちょっとガッカリ……。

「なんて、言うと思った?」

そう言って、悠斗の唇があたしと重なる。
途端に、一層騒がしくなる教室。

今度は、全員揃って絶叫。

「「きゃーーーーーー!!!」」
あわわわわわわわ……。
あたしだって絶叫あげたいっ!!

周りに構わず、角度を変えてキスを繰り返す悠斗。

もう、どーでも良くなってきた――。

と、不意に離れた唇。
同時に、少年の笑みを浮かべる悠斗。

そして――

「はーい。席ついてー」

空気を読まない担任……。

「あ、れ……?」

なにが起きているか理解出来ないと言った感じの担任。
それもそうか……。

「あ、センセー! 俺と中原さん、早退します」

「え……えっ!! 真崎くん!? で、早退? あぁ、わかりました。気をつけて……」

ちょ、ちょっと〜!! あたしを助けろ!!
なんでスルー?  理事長の息子だったらなにやってもいいってのか!?