高校生活初日は、学校が午前中で終わった。

「緩奈ー。このあとどっか行く?」

美保があたしの席に来て尋ねる。遊ぼうとも思ったけど、イマイチ乗る気になれなかったから、断った。

「そか。じゃ、また明日」

「うん」

片手をひらりと挙げて帰る美保は、正直クールで。
「やっぱ美保、かっこいいな」
一人で自嘲気味に笑った。

「はー。なんか、帰りたくないかも……」

美保からの誘いを断ったものの、このまま真っすぐ家に帰る気にもなれなかくて。

結局、駅へ向かい適当に切符を買う。
あたし、学校が地元だから定期持ってないんだよね。

適当に乗り継いで、着いたのは駅2つ分のところにある繁華街。

たまに、なにも考えたくないときはここに来るのがあたしの日課。

って言っても、ゲーム全般が苦手なあたしに、やれることなんてないんだけどさ。