悠斗のことを尋ねるあたしに、明菜ちゃんは驚きの表情を向けていた。

あたし、なんか悪いこと言ったかな……?

「あぁ……。悠斗くん……。悠斗くんはねぇ、理事長の息子なんだよね。で、理事長の息子の肩書で生徒会長やってるの。確か、中2くらいから。で、今もその肩書通り。って言ってもね、生徒会長なんて肩書だけだから、実際生徒会なんか所属もしてないし、成績いいから学校もそんな来ないし。ただ、顔が顔でしょ? 結構女子からは人気あるんだよね。ウワサじゃ、生徒会室好き勝手利用して、女の子連れ込んでるんだって」

「そう……なんだ」

なに? それ……。
理事長息子の肩書で、好き勝手やってるだけ?
ただのわがままじゃん。

「ありがと」

「あーうん。でも、なんで? 緩奈ちゃん、悠斗くんと知り合いなの?」

「違うよ!? ただ、気になっただけ。新入生兼生徒会長ってなんだろって」

「そか。じゃああたし、もう行くね。これからよろしく☆」

そう言って、行ってしまった明菜ちゃん。
なんか、絡みづらそうな子……。

って言うか、悠斗の名前出した途端、キャラ変わったような……。
気のせい、だよね?