穏やかに降り続ける、雨の音が心地好い。

気分も良いし、鼻歌まで歌っちゃいそうだなあ。




『.......』

「.......」



彼は、もちろん何も喋らないけど不思議と空気が悪くなることはない。

これも、彼の魅力の一つなのかな。



ちらりと、横目で見る彼はいつにもまして無表情。

好きなものを見る嬉しそう瞳でもなければ、心底嫌だ、みたいな瞳でもない。


眼鏡の奥には、何も宿っていないような色が広がっている。




よく、ありがちな笑顔を好きになったとか。いつもにこにこしてるのに、叱ってくれたギャップとやらにやられたとか。


自分で言うのも、ちょっと空しいけど。恋する理由は、何通りもあるのにはっきり言って私の恋の仕方は珍しいと思う。



でも、実際は難しいことなんか何一つない。


好きでも嫌いでもなさそうな彼がどうしていつも雨空を見るのかさ、気になって気になって...










いつの間にか、それは〝恋〟だったとゆうだけの話なんだ。