ライヴハウスの熱で
ほてった頬に、風がキモチいい
「 あの高校生バンド
卒業ライヴだったのかなあ! 」
『 …そんな感じだったね 』
「 …あのバンド、卒業したら
やめちゃうのかな… 」
『 …あのバンドは
解散するみたいな事は言ってた 』
「 …うん 」
団地のある坂道
木がいっぱい生えてて
下の方に、住宅街が見える
その向こうには、高層ビルのあかり
「 …あのさ 」
『 …何? 』
「 …大学って、楽しい? 」
『 …お前だって、
今年の春から行くじゃん 』
「 …そ、そうだけどさ… 」
演奏が終わって、
拍手がいっぱい鳴ってる途中で
私たちは、ライヴハウスを後にした
…ちょっと横の人たちが
『 … なあ、あれ" 灰谷 "じゃねえの? 』
『 …コピバンとかのヤツじゃなくて? 』
とか
少しザワザワし始めてたから
道すがら、多分
相手は那智さんぽいんだけど
青山さん、電話してるみたい
打ち上げ、誘われてたんだけど
断ったみたいだった
『 …高校とは、やっぱり違って 』
「 ―― う、うん!! 」


