テレビ画面の中には

夏、彼が
自分がゲームの中で使っている
そう言っていたキャラじゃないやつ


石造りの街の、
なにかいっぱい人が立っている所で
" うなぎ " とか" 大イモムシの繭 "とかに
キーボードを動かし、値段をつけて

今度は街の中を走って
お店屋さんを、のぞき始めた





「 …夏、見せてくれた
キャラじゃないんだね 」



『 …こいつは、オークション用だから
冒険あんまりしないし、まだLevel5 』



「 それに、女の子じゃん これ
… カワイイね
三角帽子に、ワンピース 」




『 …動かしてみる?

魔法タイプのエルフ
"蓮魔のハット"に"竜宮のチュニック"
杖は、"月と星のロッド" 』




「 …出来ないよ ムズカシそう 」




『 …モラクエは やった事あるんだろ? 』



「 うん 」




『 …動かし方とか、走り方同じだから

なんだったら、一緒に、
別キャラで行くし 』



「 ―― え、 行けるの?! なんで?! 」




『 …それが複アカウント


ちょっと待ってて 』