「 ユカちゃんこそ
めちゃめちゃ可愛いよ 」
今日のアズさんは、メイクなし
冬なのに継続して、色黒な私と違い
相変わらず、陶器みたいに白い肌
ニコッと笑われた顔が
なんかやたら美少年っぽくて
すげえドキドキする
「 青山っさんたち、まだかな?! 」
きょどって、少し声が裏返った
「 時間まで後30分位あるから…
でも、さっき家は出たみたいだよ 」
「 そ、そっか! 」
このデート実現の発端は
クリスマスの日に
アズさんと話した国際電話がキッカケ
そうそう
アズさんは、『Azurite』って名前で
数年前にデビューした女性ヴォーカル
なんで一般女子高生の自分が
こんな有名人と知り合いかって言うと…
私は高校で
ストロベリーピンクっていう
ガールズバンドを始めて
このアズさんの
プロモーションビデオ撮影込みの
バンドコンテストに出た事があり
それから少し色々事件があって、
私たちは知り合い、友達になったんだ
アズさんは外を見ながら
ふうっと大きく息を吐いた
「 …ご、ごめんね?アズさん 」
「 え? 」
「 なんかいきなり出合い頭に
あんな…その
質問しちゃってさ… 」
「 うん びっくりしたよ
…でも、その、これは
緊張してる、だけだから… 」
またその頬は ほんのり染まる
「 アズさんも…緊張なんかするんだ 」
「 すっ…するよう! 」
…そうだよね
好きな人に、久しぶりに会うんだもんね…


