「2時間毎にミルクを飲ませる為に母猫のところへ行く毎日が続いた。
 ミルクを飲ませ母猫のお腹に返すんだ。
 すると、ちゃんと仔猫の全身を舐めて綺麗にする。
 仔猫達が、少しずつ大きくなっていく事が、すっげー嬉しかった。
 いっつも、2匹じゃれ合って、まるで仔猫の親になった様な気分だった。
 だけど、俺が目を離した隙に1匹いなくなった。
 食事もせず、探しまわった。
 でも、見つからなかった。
 夜になると、淋しい思いしてないか、怖い思いしてないか、事故にあってないか、心配で、心配で、眠れなかった。
 おばあちゃんは、そんな俺の方を心配してた。
 そして、やっと見つけた!」
 杉崎くんは一呼吸置くと、私を抱く手に力をこめた。
 「…仔猫のそばには、俺と同い年位の女の子が居た。」
 私は顔を上げようとしたが、強く抑えられてしまった。
 杉崎くんの鼓動が聞こえる。