杉崎くんはキッチンはへ行ってしまったので、私は笠松さんに促され、ソファーに座った。
笠松さんは、少し沈黙した後、とつとつと話し始めた。
「僕の母と、コウくんのおばあさんは、とても仲のいい親友だった。
コウくんのおばあさんは、そりゃあ、上品で、綺麗で、優しい人だった。」
懐かしい目をして、笠松さんは言った。
「ある日、突然事務所を訪ねて来られて、もうながくないから、遺書を預かって欲しいと頼まれた。
そして、孫のコウが日本に来たいと言ったら力になって欲しいと。
日本の高校へ行くから、一緒に暮らそうねって、孫が嬉しそうに国際電話掛けて来るんだって、目を細めて言ってらした。」
━何だか、杉崎くんらしい…。
「そんな優しいおばあさあんも亡くなり、アメリカのご両親にもコウくんの事を頼まれ
た。
おばあさんが亡くなったばかりだったから、尚更心配されたと思う。」
キッチンでコーヒーを煎れている杉崎くんをそっと窺う。
「…コウくんの高校の手続きとか、相続の事とか、一段落付いた時、急にコウくんが来て、《鈴木 めいさん》の後見人になって欲しいって頼みに来た時には、そりゃあ、驚いた。」
━え?
笠松さんは、少し沈黙した後、とつとつと話し始めた。
「僕の母と、コウくんのおばあさんは、とても仲のいい親友だった。
コウくんのおばあさんは、そりゃあ、上品で、綺麗で、優しい人だった。」
懐かしい目をして、笠松さんは言った。
「ある日、突然事務所を訪ねて来られて、もうながくないから、遺書を預かって欲しいと頼まれた。
そして、孫のコウが日本に来たいと言ったら力になって欲しいと。
日本の高校へ行くから、一緒に暮らそうねって、孫が嬉しそうに国際電話掛けて来るんだって、目を細めて言ってらした。」
━何だか、杉崎くんらしい…。
「そんな優しいおばあさあんも亡くなり、アメリカのご両親にもコウくんの事を頼まれ
た。
おばあさんが亡くなったばかりだったから、尚更心配されたと思う。」
キッチンでコーヒーを煎れている杉崎くんをそっと窺う。
「…コウくんの高校の手続きとか、相続の事とか、一段落付いた時、急にコウくんが来て、《鈴木 めいさん》の後見人になって欲しいって頼みに来た時には、そりゃあ、驚いた。」
━え?

