その日から杉崎くんは、休み時間席に居る事が多くなった。
すると当然杉崎くんを慕っている仲間が集まる様になり、私の周りは賑やかとなった。
「俺、今朝コンビニ寄る暇なくてさ。
食堂行くけど、将一は?」
と、私の隣、窓際の席の碓氷くんと話している。
類は友を…とは言うけど、杉崎くんと一番仲が良いこの碓氷くんも実はとてもモテる人なのだ。
背は杉崎くんと同じ位。
メガネ男子で、1年の時のクラスメイト内ではクールビューティーと言っていた事を思い出す。
━透明感のある人だ。
成績もトップクラスで、この2-5のクラス委員長でもある。
「……行こうか?」
ボーっと考え込んでいた私は、当の2人に注目されている事に気付き戸惑ってしまった。
━16年間生きて来て、こんな美形に注目される事など未だかつてあっただろうか?
…絶対ない…。
すると、周りが騒がしくて聞こえなかったと思ったのか、杉崎くんは私の耳へ顔を寄せてきて、
「昼、一緒に食堂行こう。」
と言った。
━顔、近っ。
って、何も返事してないのに、私行く事になっちゃってるし…。

